はいどーもこんにちわ。ぼくです。
さて2018年10月11日よりテレビアニメの放送が開始された『からくりサーカス』。
この『からくりサーカス』週刊少年サンデーで1997年から2006年まで連載された藤田和日郎先生の作品であり、アニメも初回からかなりの高評価の名作となっていますが・・・
実は藤田和日郎先生の名作はその他にもたくさん存在しています。
という事で今回はアニメ化された大人気作品『からくりサーカス』の作者、藤田和日郎先生の名作についてまとめていきたいと思います。
それでは続きをどうぞ!
うしおととら
自宅が古い寺で父も僧である主人公『蒼月潮』少年が、自宅の寺の蔵の地下に眠る『獣の槍』によって封印されていた大妖怪『長飛丸』と出会ったことによって『化け物』との退治と『亡くなったはずの母』の手がかりを探す旅に出るという話。
最初は潮の事を憑りついて食おうとしていた『長飛丸』ですが、『獣の槍』の力に選ばれた潮は強力な力を持っていたためしぶしぶ共に戦うことになります。
潮も人を食らう化け物である『長飛丸』を最初こそ毛嫌いしていますが、長飛丸に『とら』と名付け、共に旅をしていくうちにかけがえのない存在へとなっていきます。
ふたりが旅先で出会う様々な人々の絆と『人間』と『妖怪』の種族を超えた『うしお』と『とら』の絆が非常に熱く胸にグッとくるものがある藤田先生渾身の初連載作品です。
ちなにみに『うしおととら』はアニメ化されており、アマゾンプライムビデオですべて見ることができます。
一月300円程度でプライム特典の映画とかアニメとかバラエティ番組見放題なので、気になる方はアマゾンプライムの記事を読んでみてください。
からくりサーカス
父から莫大な遺産を受け継いだことにより親族から命を狙われることになった少年『才賀勝』。
『他人を笑わせないと呼吸困難で死んでしまう奇病』にかかった中国拳法使いの青年『加藤鳴海』。
そして勝の祖父から彼を守るように使命を受けた人形使いの少女『しろがね』。
彼らが出会うとき時代を超えた数奇な運命の歯車が回り始めます。
現世で初めて出会った3人の運命は実は過去で複雑に絡み合っており、物語は過去と現在に渡ってお互いのその『数奇な運命』が交差し始めます。
物語がいくつかの章でわかれており、大まかに分けると
三人の出会いを描いた『マサルの章』。
マサル・しろがねが潰れかけの『仲町サーカス』に入り、さまざまな人々とのふれあいを通して人間として成長していく姿を描いた『サーカス編』。
自分で考え自分で動き、人の生き血を吸って生きる『自動人形達(オートマータ)』と彼らを破壊する『人形破壊者』との戦いを描いた『からくり編』。
そんな『オートマータ』とマサルとの孤独な戦いを描いた『からくりサーカス編』。
そして最終章『デウス・エクス・マキナ編』。
それぞれの章に伏線が張り巡らされており、最終章に向けてそれが一気に収束していきます。
ラストは非常に感動的な内容となっている藤田先生の超名作です。
からくりサーカスの詳しい記事はこちら↓
アニメ版からくりサーカスの感想↓
こちらも『うしおととら』同様アマゾンプライムビデオで見ることができます。
邪眼は月輪に飛ぶ
挫傷した米軍の空母が運んできたフクロウ『ミネルヴァ』。
『ミネルヴァ』の目を見たものはそれがテレビのモニター越しであろうが血を吹き出して必ず死ぬ。
その『目』によって死の街と化した東京で『ミネルヴァ殲滅作戦』の命を受けた米軍特殊部隊とフクロウとの命をかけたやり取りが繰り広げられる。
現代兵器をものともしないそのフクロウを倒すことはもはや不可能かと思われたが・・・
そんな時一人のマタギ(猟師)が立ち上がった。
名を杣口鵜平。
かつて己の片目と妻の命と引き換えにフクロウに一撃を与えた男である。
果たして彼は見事フクロウを討ち取り妻の無念を晴らすことができるのか・・・
人々の未来は一人の猟師に託された。
1巻しか出ていませんが非常に良くできた物語で綺麗にまとまっており、かなり面白い作品です。
黒博物館『スプリンガルド』
1837年。ロンドンではバネのような手足に鋭い爪、奇妙な仮面に高笑いを響かせ現れる『バネ足ジャック』と呼ばれる怪人が夜な夜な女性の前に現れ驚かしては姿を消す、という怪事件が頻繁に起きていた。
しかしバネ足ジャックは一年後の1838年突如として姿を消した。犯人は捕まらないままに・・・
しかし3年後。
バネ足ジャックが再び姿を現す。
女性を狙う凶悪な殺人鬼として。
「バネ足ジャックは何者なのか?」「なぜ今になって殺人という罪を犯したのか?」「彼の目的は一体何なのか?」
事件を追うスコットランドヤードの警部と怪人『バネ足ジャック』の物語。
この『スプリンガルド』も1巻しか発売されていませんが非常に物語としてはよくできています。
こちらの『黒博物館スプリンガルド』には『スプリンガルド』とその数年後を描いた『マザア・グウス』が一緒に収録されているので他の短編作品に比べて物語の終わり方やまとまり方などがより深く描かれており、一巻で二度美味しい内容となっています。
月光条例
『何十年かに一度、真っ青な月の光が地上に届く。すると地上に存在するおとぎばなしの世界はおかしくなってしまうんだ。
おかしくなってしまったおとぎ話の世界は助けを読み手の世界に求める。』
【条例】蒼き月光でねじれたおとぎばなしは 猛き月光で正さねばならない
腕っぷしが強く喧嘩っ早いひねくれ者の主人公・岩崎月光。
彼は突如『お伽草子』に登場する『鉢かづき姫』と出会ったことにより『極印』を刻まれ、おかしくなってしまったおとぎばなしを正す【条例】の『執行者』となってしまう。
はじめは成り行きでなった『執行者』という立場を「関係ない」と投げ出そうとする月光だったが『おかしくなってしまったおとぎばなし』との戦いを経て徐々に執行者としての自覚と覚悟を備えていく。
そんな月光であったが・・・実は月光自身にも大いなる秘密が隠されていたのである・・・
おとぎ話の世界から飛び出してきたおかしくなった登場人物と月光、鉢かづき姫が協力して戦う話です。
おとぎ話をモチーフにしているので比較的『うしおととら』や『からくりサーカス』のようなバイオレンスな表現が少ないようなコメディタッチな話が多いような気がします。
しかし物語が終盤に向かっていくに連れて衝撃的な表現方法が使われているところなどは・・・「藤田先生天才かよ・・・」と思いました。
気になる方はぜひ一度読んでみてください。
黒博物館ゴースト アンド レディ
1852年のロンドン。
街にあるドルーリー・レーン王立劇場に取り憑き、劇場で演じられる『悲劇』を見ることが大好きな幽霊・灰色の服の男、通称『グレイ』のもとへ一人の女が現れる。
彼女の名は『フロレンス・ナイチンゲール』。
幽霊である彼のことや人間に取り付いている『生き霊』が見える彼女はこの世界に絶望し、もう生きたくないと『灰色の服の男』に「自分を取り殺してほしい」と願うのだった。
悲劇を見ることが大好きなグレイは幽霊である自分が『役割』を与えられたことを喜び『その役』を受けることにした。
劇の最高の見せ場は『悲劇が最高潮まで達したとき』だと考えるグレイは彼女が最も絶望する『その時』まで彼女の命を奪わずに彼女に取り憑き、側で見張ることにした。
こうして世界に絶望し死を望む女と、悲劇を好み『その時』を待つ幽霊との奇妙な二人?の物語が始まる。
最初は世界に絶望しているフロレンスですが、何があっても恐れず屈せず行動していくうちに徐々にその心には光がやどり始めます。
物語のラストは切なくも非常に感動的な内容となっています。
双亡亭壊すべし
東京都豊島区沼中井町にある『双亡亭』。
大正時代に有名な画家が立てたと言われるこの豪邸は多数の行方不明者を出すなどと現在幽霊屋敷として奇妙な噂がつきまとっていた。
ある日絵本作家を志す『凧葉務』は双亡亭の一角に引っ越してきた少年『立木緑朗』と仲良くなるが・・・
その日の夜緑朗の父が怪死するという事件が発生する。
さらに政府による双亡亭へ向けた空爆が実施され、沼中井町一体は焼け野原となるが・・・
なんと双亡亭は無傷のままだった。
そんな奇妙な事態が続出する中、更に奇妙な出来事が起こる。
45年前に墜落したはずの旅客機が突如現れ、空港へと戻ってきたのである。
すべての電子機器が壊れて動かなくなっているにもかかわらず戻ってきた機体の中にはただ一人『凧葉青一』という少年が乗っていた。
そして少年は言う。
「ソウボウテイ・・・コワス・・・・」
一方時を同じくして父の訃報と緑朗の怪我の連絡を受けた『刀巫覡』と呼ばれる刀を使いすべての呪を断ち切る巫女である緑朗の姉・柘植紅も双亡亭へと向かっていた。
果たして双亡亭とは一体何なのか・・・
藤田先生によるモダン・ホラー作品ですが・・・超怖いです。
双亡亭の得体が知れ無さ過ぎてほんとに気持ち悪い。
『うしおととら』でも化け物は登場しているし『ゴーストアンドレディ』なんかもろに幽霊出てるんですけど、これは全く別物です。
現在連載中なのでこれからの展開が楽しみですが、ちょっと怖いので明るいときに読むのをオススメします。
おわりに
さて今回はアニメ化した『からくりサーカス』が大人気の藤田和日郎先生の作品についてまとめていきましたがいかがでしたか?
作品全てにおいて藤田先生の作品は物語の伏線があり、それが収束していくことによって驚きの最後を迎えます。
それは短編であっても妥協のない作品となっており、読む人たちの心に響くことだと思います。
長編の連載作品ももちろん面白いですが、短編もかなり面白い内容となっているので良かったらぜひ一度読んでみてください!
それでは今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
おわり